安田氏に学ぶ!不動産の問題は地方だけではない

最終更新日 2025年5月19日

不動産というのは多くの人がとても価値のあるものだという感覚でいることがほとんどです。
特に戦後の高度成長期の日本であれば自分の家を持つことが夢で、そのために多額のローンを組んで土地と建物を購入する人が多くいました。

通勤に多少不便でも子育てをするには郊外の自然が多い場所のほうが良いと考える人が多くいましたし、そうしたサラリーマン世帯向けの分譲住宅というのはすぐに売れてしまうことがほとんどでした。

安田福海氏はどう考える?

ですが日本も今では少子高齢化の影響で土地が余っている状態になってしまっています。
人が求める住居も、多少狭くても通勤不便な郊外よりは便利の良い都心に集中してしまう傾向にあり、それで郊外の不動産は値下がりしなければ売れないような状態にもなっていることがほとんどです。

こうした郊外の不動産が余ってくるのは空き家問題と共に深刻な問題としてのしかかってくると安田福海は考えています。

空き家や売れない人気のない・買い手のいない土地の問題というのはこれまで人口の過疎化が進んでいる地方だけの問題として考えられているようなことが多かったですが、これからは地方だけでなく首都圏でも考えていかなければいけない問題となってきています。

そして今ある不動産を効率よく稼働させる方法としてシェアハウスや賃貸などとして活用するなどといった方法もありますが、こうした物件もいずれ劣化が進み維持費などの問題が出てきますから、簡単には解決できない問題でもあります。

所有者不明の土地が増えてきている

また、所有者不明の土地というのも増えてきています。
不動産は土地だけでも税金がかかってきてしまいますから、そうした税金対策のために相続しない人や、所有を放棄して行方をくらますような人というのも増えてきています。

そしてこうした問題を解決していくには近所の目というのも大事でしょう。
近所で土地のことについて気にしてくれる人がいれば空き家や使われていない土地の不法投棄なども減りますし、治安の悪化も防ぐことができるでしょう。

所有者がはっきりしない土地というのは税金が回収できないという問題もありますが、そこからどんどん周辺の治安が悪くなってしまうという問題も出てきてしまうものです。

周辺の治安の悪化は普通に暮らしている人の生活を脅かすものにもなってきますから、周辺の住民が自分の土地でない土地も関心を寄せていくということが必要でしょう。

また、こうした買い手のいない土地というのは外国人に買われてしまうということもあります。
売りに出ている土地は欲しいと思う人に買ってもらうことができれば良いですが、外国人だと周辺のマナーも守れないことで住民が不安になることもあります。

ですから売るにしてもある程度条件を付けて売るようにするのが良いです。

また、昔に比べてこれからどんどん土地や不動産の価格は下落していくといわれますが、それでも安易に売るのは避けたほうが良いです。
土地の値段というのはその時の人気度や状況によって変わっていくのが常識ですから、今価格が下がったからといって、これから先も下がったままであるかどうかは分からないところです。

こわくなってあまりにも安い価格で売却してしまった後で価格が上がって損をしたというようなことは珍しくもないので、焦って売却しないようにし、頃合いを見るということも大事です。

引越しや家の事情などでどうしても売らなければいけない事情がある時を除いて、慎重に売却は進めるようにもしましょう。

アパート経営の注意点

また、売る気のない土地は自分でアパート経営などして老後の資金を作ったり、オーナーになることで税金対策をしていくというのも良いですが、アパート経営は素人では難しいものです。

入居者を集め続けるには管理や維持費にもお金をかけなければいけませんし、運営のノウハウも知らなければいけないでしょう。

最初は順調に入居者を増やすことができても、それから10年、20年も同じ状態を維持できるかといえばとても難しいところでもあるので注意です。

建物のローンが終わるころには建物の修繕が必要になるなどの問題もあるので、思ったほどもうからないか、損をしない程度に収まるかどうかということがほとんどなので、慎重に契約を進めるようにしましょう。

先祖代々、昔からある土地で自分の受け継いだ土地というのはこれから先も変わらず価値のある財産であるという感覚になることがほとんどですが、使い勝手の悪い土地や広いばかりで手入れが必要で、税金ばかりかかってしまうような土地は財産でもなく負の遺産であることも多いので、手放したほうが良いということもあります。

まとめ

自分にとって価値のあるものなのかそうでないものなのかを時代によって判断することが大事です。

土地や物件は所有していても必ずしも財産にならないということを覚えておくと良いでしょう。

賃貸に一生住んでいくのは不安がつきものですが、無駄に土地を主有していても損になってしまうことが多いので注意が必要です。